こんにちは。
昨日はすごい雨が降ってました。春って桜の時期に雨がよく降るよなあと思います。咲いたと思ったらあっという間に散っていく、その儚さを世界の事象が後押ししてる。雨の降り方はたぶん昔よりも激しさを増していて、ほとんど嵐のようでした。春の嵐。
私は体調を崩して部屋にとじこもり、窓の向こうが薄透明にぼやけて、世界がなんとなく遠い感じです。
一瞬の感覚はどんどん短くなって、音や情報のめまぐるしさは後から後から押し寄せるから、私は微熱も伴いぼんやりします。現実のフィルターが何層にも重なり、現実が夢とそう大差なく見えるとき、変化し続ける波から距離を置いて、光も閉ざして、私はほんとうにひとりになって、ただ眠り続けていたいです。
曖昧な夢を見ます。春は朧に自分の外にあって遠く霞んで、夜明けも夕暮れも混じりあった時間にひとりで草原を歩きます。
いつも遠くの方がぼんやり光って揺れている。その先を見定めようと視点を一点にするにはまだ身体がしんどくて、曖昧な視界のままふらふらとどこかへ流されるように歩くしかない自分がいる。心をどこかに置いてきたなと思う。それでもいいかと今は思って、疲れたまま歩き続ける。
気がつくと起きたという境もなく目ざめて、やっぱり窓の外を見ています。外では言葉のような雨が降ってる、花はさめざめと濡れていく。
私は裸眼のぼやけた視力に伊達眼鏡をかけて、さらに一枚フィルターを重ね自分からガラスひとつ隔てたまま外の物事を見ると安心します。
太宰治の小説にもあったけど、見えると見えないの境目の世界がいちばんやさしい世界として目には映ってくれる。その自己完結した平和が訪れてはじめて私は自分の外にいる自分ではない誰かの目を見ることがちゃんとできる。
ことばは常に誰かと自分との間にあるものだから、お互いの距離をどうやって保てばいいか常に不安ではありますが、ふと降り出した雨や気まぐれにやってきた午後の明るい光となんとなしに出会って、お互い何も言わず見ることができたらそれがいちばんいい気がします。
言葉のない瞬間が好きです。
同じ風景を見ていても同じようには見えていないというひとりきりの事実が、私にとっては明るい孤独です。
何にも考えずに書いたら変な文章になってしまいました。
別のことを書こうと思って書いたはずなのに、如何せん思うようにことばは書かせてもらえません。
でも書こうとしてたことの実感とは輪郭が似てる気がするので、また次にそれについて書けたらなと思います。
読んで下さってありがとうございます。
